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「育児・介護休業法」の改正ポイントのご案内~2022年4月1日から施行~
北京オリンピック、平野歩夢選手、金メダル獲得されましたね。おめでとうございます!
2014年のソチから足掛け8年、きっと想像を絶する練習量をこなされたのであろうにもかかわらず、クールなインタビュー、若いのに偉いなあ!と感無量でした。それにしても、 東京オリンピックのスケボーやサーフィンといい、横滑り系スポーツって見ていて楽しいですね。オリンピックも、リラックスして楽しみながら結果を出す時代に変わってきたのかなあ、と感じた次第です。さて、前置きが長くなりましたが、日本男児の「子育て」にもまさに新しい風が吹きつつあり、この2022年4月から、「育児介護休業法」が改正されます。
何が変わるのか、下記にまとめましたのでご参考いただければ幸いです。
【第一弾 2022年4月1日から義務化】
(1)育児休業を取得しやすい雇用環境の整備が必要!
何を? 1~4のいずれかを実施してください(複数が望ましい)※産後パパ育休は、令和4年10月1日から施行
1.育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
2.育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口や相談対応者の設置)
3.自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
4.自社の労働者への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
具体的には? 1.「研修」
対象は、全労働者が望ましいですが、少なくとも管理職は、研修を受けたおことがある状態にしてください
2.「相談体制の整備」
窓口を設ける場合、形式的に設けるだけでなく、実質的な対応が可能な窓口を設けてください。また、窓口の周知等をして、労働者が利用しやすい体制を整備してください。
3.「自社の育休取得事例の提供」
自社の育休取得事例を収集し、事例を掲載した書類の配布やイントラネットへの掲載等を行い、労働者が閲覧できるようにしてください
提供する事例を特定の性別や職種、雇用形態に偏らせず、可能な限り様々な労働者の事例を収集・提供し、特定の者の育児休業の申し出を控えさせることにつながらないように配慮してください
4.「制度と育休取得促進に関する方針の周知」
育児休業に関する制度と育児休業の取得の促進に関する事業主の方針を記載したもの(ポスターなど)を事業所内やイントラネットへ掲載してください。
(2)個別の周知・意向確認が必要!
令和4年4月1日以降の申し出が対象です。取得を控えさせるような形での周知・意向確認はこの措置の実施とは認められません。
誰に? (本人または配偶者の)妊娠・出産の申し出をした労働者
何を? 1~4すべてを行ってください※産後パパ育休は、令和4年10月1日から施行
1.育児休業・産後パパ育休に関する制度(制度の内容など)
2.育児休業・産後パパ育休の申出先(例:「人事課」「総務課」など)
3.育児休業給付に関すること(例:制度の内容など)
4.労働者が育児休業・産後パパ育休期間において負担すべき社会保険料の取扱い
いつ? 妊娠・出産の申し出が出産予定日の1か月半以上前に行われた場合⇒出産予定日の1か月前までにそれ以降の申し出の場合などは「事業主向け説明資料」3-1を参照
どうやって? 1.面接(オンライン可) 2.書面交付 3.FAX 4.電子メール等
のいずれか(3.4.は労働者が希望した場合に限る)
(3)就業規則の変更が必要(2022年4月1日までに)!
・有期雇用労働者の育介休業の取得要件が緩和されるので、変更が必要です。
(具体例)
(1)引き続き雇用された期間が1年以上←削除!
(2)1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
・変更した就業規則は労働者への周知が必要です。
・常時10人以上の労働者を使用する事業場は、労働基準監督署への届け出も必要です。
更に・・・
【第二弾 2022年10月1日から義務化】
(4)就業規則の変更が必要(2022年10月1日までに)!
・産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
対象期間/取得可能日数 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
申し出期限 原則、休業の2週間前まで
雇用環境の整備などについて、法を上回る取組を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができる
分割取得 2回まで分割して取得可能(2回分まとめて申し出する必要あり)
休業中の就業 労使協定を締結している場合に限り、労働者が個別に合意した範囲で休業中に就業することができる(就業可能日数等には上限あり)
育児休業制度の変更
・1歳までの育児休業 2分割して取得可能
1歳までの育児休業 2回まで分割して取得可能(2取得の際にそれぞれ申し出)
申し出期限 休業開始日の柔軟化
期間の途中で配偶者と交代して育児休業を開始できるようにする観点から、配偶者の休業の終了予定日の翌日以前の日を、本人の育児休業開始予定日とすることができる
特別な事情がある場合に限り再取得可能

まず、2022年4月1日までに、(1)社内で育休・産後パパ育休の研修を受け(特に管理職の方)、社員が「育児休業取りたいな」と思った時に相談できる窓口を設置する等、「育児休業を遠慮せずに取ることができる」という環境を整備します。
(2)では、社員から、「妊娠した」「奥さんが出産した」等、申し出があれば、育児休業の制度や、申出先、休業期間中の所得保障制度(育児休業給付金)、社会保険料の免除等についての説明がマスト!となります。
(3)は、これまで有期雇用契約の方は1年以上継続勤務していなければ育児・介護休業を取れなかったところ、1年以上継続勤務していなくても育児・介護休業を取得できるようになるので、就業規則にその旨記載あれば削除変更が必要です。もちろん、社員全員に周知しなければなりません。
更に、10月1日から、(4)パパが子供の出生後8週以内に4週間育休を取れる「産後パパ育休制度」も始まります。これとは別に、1歳までの育児休業を分割して2回に分けて取れるようにもなります。例えば、奥さんと交代で育児休業を取ったりできるわけですね。

「いやいや、男性社員に育児休業で抜けてもらったら困る」
「代替要員なんかよう準備できへん」

と思われた事業主の方も少なくないかもしれません。ただ、昨今は、「この会社はしっかり育児休業や年次有給休暇を取れるか」を入社判断基準にしている若手の方も多く、更に、今後は男性問わず、「親の介護問題」が待ち受けています。この法改正を機に、「時間内で効率的に生産性をあげる」仕組みづくりにチャレンジするのはいかがでしょうか。また、頑張る事業主様に向けて、国も「両立支援助成金」等の制度を用意しています。自治体独自の助成金制度がある場合もあります。出産後では間に合わない支給要件もありますので、もし、社員さんにご出産の予定などあれば、是非ともお早目にご相談ください!

国が男性の育児休業取得率を上げようとしている理由としては、少子化による働き手不足、出産育児に伴う女性の離職抑止等があげられます。先進国の中でも、男性の育児休業取得率の低い日本ですが、育児休業を取ることのメリットは「子育てという最高の社外研修」を受けられることではないでしょうか。近年、イクメンやイクボスのプロジェクトも立ち上がっておりますが、多様性への対応が求められる中、育児を経験することで、他社員への配慮、共感力が増すことが期待されます。また、常に予測不能な「子供」への対処は、先読みする力や段取りをする力が必然となります。また、夫婦の信頼関係が構築されることで、職場への理解や後方支援も期待できます。子供にとっても両親が楽しんで育児と仕事を両立している姿を見せることができれば、最高の教育となり得るのではないでしょうか。
リラックスして楽しんで、結果を出せる。そんな職場づくりを一緒に目指していきませんか?気になる点などありましたら、ぜひともご相談ください!

(室)
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