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今月のオススメ本

パール社労士オフィスのスタッフが読んだ「オススメ本」を毎月ご紹介するシリーズです。
社会保険労務士業務に関連する本から、ちょっと息抜きになる本まで、みなさまのお役に立ちそうな一冊や、心に残った作品をピックアップしています。

タイトル:
1984
作者:
ジョージ・オーウェル
発行所:
角川文庫
初版:
1949/6/8
オススメ者:
福富
~おすすめポイント~

『1984』を読んで ― 文書に向き合う仕事として考えたこと
1984を読み、日々文書を扱う立場として強く印象に残ったのは、「記録される事実の重み」と、それを支える人間の責任でした。
私たちは、公的機関に提出する書類や、企業の労務管理に関する記録など、「事実を正確に伝えること」を前提とした文書に日常的に関わっています。しかし、その「当たり前」が、実は非常に繊細で、努力によって支えられているものだということに改めて気づかされました。
本作の主人公であるウィンストン・スミスは、過去の記録を書き換える仕事に従事しています。独裁体制を維持するために、過去の発言や統計は「現在の都合」に合わせて修正され、あたかも最初からそうであったかのように再構成されます。たとえば、配給量が減少しているにもかかわらず、「増加した」という記録に書き換えられる場面は、事実そのものが容易に歪められうることを象徴しています。
こうした描写を通じて感じたのは、「情報は作られるものである」という側面です。数値や記録は、一見すると客観的で揺るがないもののように見えますが、その裏には、収集・整理・記載を行う人間の意図や姿勢が存在します。もしそこに恣意性が入り込めば、「事実」はいとも簡単に別のものへと姿を変えてしまいます。
だからこそ、私たちの業務においては、「正確であること」「誠実であること」が何より重要であると感じました。労働保険や社会保険の手続き一つひとつ、例えば賃金額の記載や被保険者資格の判断などは、企業や従業員の生活に直接影響を及ぼします。その一つの数値、一つの記録が信頼に足るものであるためには、事実を丁寧に確認し、根拠をもって記載する姿勢が不可欠です。
『1984』は極端な管理社会を描いた作品ではありますが、そこで示される「事実の扱い方」は、現実の私たちにも通じる重要な問いを投げかけています。文書の信頼性は自然に保たれるものではなく、関わる一人ひとりの意識と行動によって支えられているものです。
本作を通じて、私自身も、日々扱う一つひとつの文書に対して、より一層の責任と誠実さをもって向き合っていきたいと感じました。

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